まだ渦中ですので一部フィクションを加えたうえで、ぼかして書きますけれども、他人の恨みというのは後から一番いやなところにくるよ、というちょっとしたお話です。
とあるところにAという女性がいました。Aはバツイチ子持ちで、おなじくバツイチ子持ちのBと再婚しようという話になりました。Bの子供C子ちゃんは、Bの元妻Dのところで暮らしています。
Bは離婚時の約束で、結構な高額な養育費をしはらっており、Aとしてはその分家計が圧迫されます。給料にしては高い養育費と、Dも再婚しているのだからと養育費の減額を要求しましたが、公正証書をたてにCは減額を了承しません。Aは恨みに思って、呪詛やらに手を出したり、Bをいったん給料の安い会社に転職させ、弁護士を雇い、周囲にDの悪口を吹聴したり、Dの財政状況や、現状をネットストーカーのようにさぐったり、ありとあらゆる手をつくして養育費を大幅に減額しました。Dも強気で対応していましたが、これ以上争っても面倒だし、子供のためにお金は確保したかったのに、そんなに自分の子供なのに干上がらせようとするなんて、と悔し涙を飲みながら、減額に応じざるを得ませんでした。
AもCが憎かったので、C子やDの得になるようなことは何一つしたくなく、破滅してほしいとおもっており、BはAに嫌われたくなかったのでなすがままでした。Bと籍をいれて、もし自分が先に亡くなったら、C子に遺産が行くと思うといやでいやで、結婚すらせず、ずっと内縁の妻をえらんだくらい、病的にC子にもDにもなにも渡したくなかったのです。
数年たって、もう当時のことなんてあいまいになり、子供も大きくなってきて、恨みもうすくなったとき、Aの子供に難病が発覚します。彼女の家系にもなにも発症しなかった、珍しい病気です。
ここで依頼があったのでなぜなのか、というのを見ましたが、まあこの当時のいざこざによる、相手のC子とDの恨みがいまになって発動した、ということでした。子供のために、という母の気持ちは強いですし、Aが呪詛していた、というそのエネルギーもまた反転したわけです。
呪詛したからといってかならず成功するわけではありませんし、呪詛は前どこかでかいたかもしれませんが才能なので、才能がない人がいくら呪っても相手に一つも傷をつかせることはできません。ちょっと修行した呪う才能のない霊能者と、才能のある素人なら、素人に軍配があがります。いくら呪詛アイテムつかってもなにも発動しない、というときにはもう呪う才能がないのであきらめてください、としか言いようがないくらい、呪詛というのはその人の素質に左右されます。
たまたま、相手の人が呪詛のポテンシャルがあり、かつ発動条件がそろってしまったのと、一番その家族においてウィークポイントが狙われるのが呪詛というものです。
それがたまたま火をふいてしまった、ちょっと不幸なトラブルです。もちろんその家にとってはたまったものじゃあありません。恨みというのはその本人が「もういいか」と手放したときに一番くるのです。恨みによって肥大した「呪詛の塊」は恨みの気持ちによってまだ呪詛した本人の手元ににぎられています。恨みがあるうちには手元からはなれません。それがなくなって、どうでもいいや、わすれたわ~というときに、手放してしまった塊が動くのです。
発動したらもうどうしようもないですから、その塊が消耗してエネルギー出し尽くして暴れるまで消えるのをまつか、発動したのはしょうがない、ここから鎮火してなんとか被害を最小限におさめよう、というところにいたるか、です。
なんとか被害を最小限にというところには落ち着きましたが、Aもまさかそんな、という顔をなさっていました。当時はもう、とりつかれたようにネットストーカーをしたり、なにがなんでも減額しようとやっきになっていた、勝利をかちとったときにはめちゃめちゃうれしかった、でも後からこんなことになるなんて。と言っていましたが、まあもうどうしようもない話です。
恨み、というのは時限爆弾のようにしかけられて、弱いところに発動する。世の中には素人でもポテンシャルもっている人がいる、という条件がかさなった珍しい話ですが、Aさんの許可もえられたので、一つの例として、お話としてこちら掲載させていただきます。