不都合と不釣り合い(補足2)

投稿者: | 2019年7月8日

さて、もうすこしこのテーマは続きます。

不都合と不釣り合いがあれば、その不釣り合いをうめるため、なんとかするために二者間で「二人の征服」が発動します。

例をあげましょう。

IT関係の仕事をしているAさんと、そのAさんの会社に仕事を発注している会社の担当者、Bさんとの会話だとします。


「これくらいの手直しなんだから、パソコンに詳しいんだから一日くらいでやってくれるでしょ」とBさんがいいました。

「いやいや、手直しといっても、テストしなきゃならないですし、そんな簡単にいきませんよ。一か月はかかりますし、人件費もかかります」

システムに不備がでるといけないので、Aさんは首を横にふります。

「なんでそんなにかかるかなあ。ここをぱっと直してくれるだけなのに、おかしくない?」

Bさんはむっとしていいます。

(Bさんはわかってないかもしれないけど、作る方は時間もかかるしチェックも必要だし、なんでわかってくれないのかなあ。あーでたでた。よくあるよくある。打ち合わせのときにちゃんと言わないであとから納品近くになってあれこれこうしてほしいとかいってくるヤツ!あんだけこれでいいかって確認したのにそのときいわないでさあー!)

Aさんも内心イライラしてもやもやが止まりません。

よくあること、と自分に言い聞かせながら、もやもやが止まらず、家に帰る前にお酒を飲んでそのもやもやを解消することにしました。


よくあるお話しです。

さて、Aさんはここでイライラもやもやするということは、自分の中に不都合があり、不釣り合いがあったからです。ここで悪魔とかたくさん身のうちに飼っていると、この時点で怒りがつきぬけて、お酒なんかではおさまりません。

愚痴をいいたくなったり、あるいはBさんとぶつかり合ったり、得意先のBさんにはぶつかれないものですから、社内でだれかに当たり散らしたり、キャバクラにいったり奥さんに八つ当たりしたくなったり、感情が制御できずに苦しむでしょう。

Aさんは作り手の自分に敬服が足りない、作っている自分自身や作成している「つくってくれている人」に敬服が足りない、発注しているのはそっちだけれども、作り手を軽視している、敬服が足りない!と

敬服の不釣り合いが走ったのです。

その不釣り合いを是正するために、つり合いを取ろうと、ちょっと相手に嫌味を言って相手を貶めたり、お酒やなにかでその不釣り合いのもやもやをごまかそうとします。

また、いまはAさんとBさんはクライアントと請負先の関係ですが、これが夫婦であるや、友人であればどうでしょう。

ぶつかり合い、「それはおかしいでしょ。誰が作ってやっていると思っているんだ」と相手を自分の下におき、自分の征服下に置こうとします。

おたがいがお互い、自分の世界をもっています。

その世界の中ではそれぞれ常識が違います。作り手の世界と作ったものを消費する人の世界は違うでしょう。

その二人の間何かの不釣り合いが生じ、不都合が発生したときに

相手をやりこめて、支配しようとするのです。

相手をやりこめて、不釣り合いも不都合も関係なく黙らせて相手を従わせてしまったら、自分の支配下ですから不釣り合いも不都合も感じなくて済むからです。

愛であれ、敬服であれ、お金であれ、信頼であれ、与えられる恵みや利益については不釣り合いが発生しやすいものです。

自分はこれだけやっているのに、帰ってきてなにもしない旦那に不釣り合いを感じる。だからこそ、相手を征服して自分の意に従わせて不釣り合いをなくそうとする、というのもよくあるお話でしょう。

そのぶつかり合いをなくしたいのであればそもそもその不釣り合いを感じているということを認識し、その恵みの妄執をなくし、不釣り合いを外せばいいのです。

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